げることができますが、地域住民が防災を身近なもの、日常のものとすることができるようにすることが何よりも重要であると思います。
自分たちの身は自分たちで守るということは、義務感や押しつけでするものではありませんが、わざわざ防災のために集まり、訓練や研修をするということは、正直なところ余り気乗りのするものではありません。このため、例えば、オリエンテーリング形式で避難所や避難方法を習得するというように、遊び心あるいはゲーム感覚で訓練等に参加できるような工夫が望まれます。また、地域の運動会や老人会、海浜・林間学校等の行事や会合のたびごとに、簡単な防災講座や訓練を実施し、防災を日常のものとして身につけていくことが必要なのではないでしょうか
4. コミュニティ防災の推進方策
以上、コミュニティ防災の現況と課題について述べましたが、昨年の災害対策基本法の改正においては、住民の責務として、「自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、自発的な防災活動に参加する」ことを明示する一方、自主防災組織を法律上明確にし、自主防災組織の育成など国民の自発的な防災活動の促進に関する事項を、国及び地方公共団体が実施に努めなければならない施策の一つに位置づけました。
また、大震災の発生した1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15〜21日を「防災とボランティア週間」に定め、広く国民が災害時におけるボランティア活動や自主的な防災活動についての認識を深めるとともに、一人ひとりが災害への備えを充実強化することを目的に、啓発事業等の実施を推進することとしたところです、
そうした自主防災に関する施策を支援するため、消防庁等においては次のような支援策が講じられており、地方公共団体においては、これらを活用して自主防災の活性化に積極的に取り組むことが求められます。
@自主防災の推進権策に関する交付税措置
自主防災用資機材の整備支援やパンフレット等の作成、リーダーの育成や住民の訓練・研修の実施、災害補償制度への加入等自主防災の促進に係る市町村の取組みについて、普通交付税による財政措置の充実を図っており、標準団体(人口10万人規模の市)で約600万円が算入されています。(都道府県にも啓発事業等に係る普通交付税措置あり)。
なお、必ずしも自主防災に直結するものではありませんが、備蓄物資の購入について、道府県分(170万人規模の県)1,700万円、市町村分200万円が普通交付税で措置されています。
A自主防災用資機材の整備に対する支援策
自主防災用資機材の整備については、普通交付税による措置のほか、自主防災推進の呼び水として、消防庁において国庫補助制度(コミュニティ防災資機材等整備事業)を創設しています。この事業は、初期消火や救助、救護、防災訓練に資する資機材等の整備について、1コミュニティあたり300万円の事業費を限度に、その1/3を補助するものです。
また、自治総合センターにおいても、自主防災組織育成助成事業として、地域防災活動に必要な施設・設備の整備に対する助成が実施されています。
B防災活動拠点の整備に対する支援策
自主防災に関する研修訓練や資機材等の保管の場となる防災センター(体験型の防災センター等も含む)やコミュニティ消防センター、避難地等の整備については、防災まちづくり事業の対象となります。防災まちづくり事業は、事業費の85%(一部75%)について、特定の起債を充当し、財政力に応じその元利償還費の30〜55%を交付税で措置するもので、地域の創意工夫を生かした防災施設等の整備を支援しています。
また、コミュニティ防災拠点については、防災まちづくり事業のほか、事業内容等(耐震性貯水槽、情報通信施設、緑地、オープンスペースなど)により、緊急防災基盤整備事業(事業費の90%に起債を充当、交付税措置傘50%)や補助金等を活用し、支援することとしています。
5. 終わりに
我が国の地域社会は、高度成長と都市化に伴い崩壊してきたといわれていますが、高齢化の進展は、高齢者対策において地域社会に大きな役割を求めています。また、価値観の多様化の中で、職業以外に自己実現を求める人々が増加してきており、余暇の増大と相まって、地域社会に貢献しようとする人々も増加しているものと考えられます。
今般の大震災は、防災による地域貢献という身近なかつわかりやすい活動目的を示したものと考えられ、その活動を促進することによって、コミュニティ自体への関心の高まりとコミュニティ活動全般の活性化が図られていくのではないでしょうか。
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